ot セキュリティが持つ重要性

近年otセキュリティに注目が集まり、その重要性が叫ばれて久しいです。otとは大規模な工場、発電所や水道局といった都市インフラにて運用されている機械・設備の制御技術を指します。otセキュリティを施さず突破されてサイバー攻撃にさらされ、機械・設備の制御が損なわれてしまうと大企業の操業がストップしたり都市インフラが機能しなくなったりといったように、大きな被害が発生してしまいます。身近な存在であるitと比べて、その被害の範囲も費用も莫大になるためその重要性が高いという訳です。

ビジネスの現場ではもちろん一般家庭でも普及しているitについては、かなり前からその必要性は論じられており対策が行われ続けてきました。一方でotセキュリティの必要性が問われたのは、そのしばらく後となっています。その理由として挙げられるのが、otが閉じられた独自のネットワークの中でのみ構成されていた時代が長かったことです。通信のやり取りは独自のプロトコルを使用して、社内の限られたポイントからしかアクセスできない仕組みであったため、不特定多数を想定したセキュリティが必要なかったという訳です。

しかしotを取り巻く環境にも変化があり、その要因にインターネットの普及および通信の高速化が挙げられます。生産機械からデータを吸い上げて作業効率を管理・改善したり、備品・資材のストックを把握したり遠方の施設の制御を行ったりというふうにインターネット通信を絡めて便利かつ効率的にotを運用するように変化していきました。これにより外部からの侵入経路が増えて、サイバー攻撃の影響を受けやすくなったというのが主な概要です。世界的な企業・生産工場、各国の大都市部のインフラ施設が次々と攻撃を受けたことによりotセキュリティへの意識が高まりました。